ご挨拶
呼吸器胸腔鏡手術研究会 会長 岩﨑 正之  このたび河野匡会長のご退任に伴い、呼吸器胸腔鏡手術研究会の第5代会長に選出されました東海大学医学部外科学系呼吸器外科学の岩﨑正之でございます。一言ご挨拶申し上げます。

 この研究会は1992年に初代会長の成毛韶夫先生が、胸腔鏡の安全な発展と普及を目的に我が国の胸腔鏡手術手技黎明期の先生方を国立がんセンター中央病院に集めた勉強会が始まりです。「偉大な外科医ほど、大きな皮切で 。」と言われていた時代に、成毛韶夫先生は世界中の胸腔鏡関連の会議に参加され、多くの世界の胸腔鏡を介した友人を我が国に招かれ、1998年まで毎年約2回開催されてきました。当時成毛韶夫先生が、伊勢原にある東海大学病院へよく見学に来られていたことを思い出します。しかし時代が胸腔鏡の波には乗れず、当時としては今までに無い術野と器具を用いた忍耐の必要な手術手技であったが為に多くの批判を浴びていました。批判を浴びるほど、さらに胸腔鏡を用いた新しい手術手技に挑戦しようと言う大きな波は消失すること無く、むしろより大きな畝りに変わり発展的に改組され、2000年により緩やかな表現で呼吸器胸腔鏡外科クラブと称して川原克信先生が2代会長をお務めになられ多くの同胞を集められました。2005年呼吸器胸腔鏡手術研究会と改称し、2006年から森川利昭先生が3代会長をお務めになられ、2018年河野匡先生が4代会長となられ今に至っております。我が国における胸腔鏡手術を開拓されてきた先生方のご意志を継ぐことになりましたことは大変光栄に存じ上げますと共に、時代はロボット支援下胸腔鏡手術さらには単孔式胸腔鏡手術などへ展開し、益々安全な手技を広く普及させる役割が重要になって来ています。

 外科医を志す若人が減少しつつある中でも、呼吸器外科の新しい手術手技を習得しようと若い外科医が集まりつつあります。この明るい兆しを大切にしながら、呼吸器胸腔鏡手術研究会が発展出来るように尽くしたいと考えます。どうぞ宜しくお願い申し上げます。
2023年4月1日
東海大学医学部医学科外科学系呼吸器外科学
岩﨑 正之